私の仕事【コロナ禍のアンビバレント】

ケアマネとして感じること

コロナ感染予防のための自粛生活が始まって約1年。私の関わる高齢者の方にとっては「アンビバレント」な日々でした。

「アンビバレント」

意味:相反する感情や考え方を同時に心に抱いてるさまを表す。両価感情ともいう。

私たちは日々のなかで多くの「選択」をしています。迷わず決められることもあれば、迷いながら決めることもあります。

例えば、美味しいそうなケーキを見つけた時に「ケーキを食べたい」だけど、「太るなぁ」と、迷うことありますよね。食べたいという気持ちのほうが強ければ、「買う」という選択ができます。太りたくない気持ちのほうが強ければ、今日は我慢しようと「買わない」を選択することができます。

しかし、「買いたい」という気持ちと「太りたくない」という気持ちが、同じくらいだとしたら、、、どちらも選択できずに迷い続けることに。心は2つの間を揺らぎ続けます。

実は、この揺らぎ続ける状態というのは、とてもエネルギーがいるし、いつも頭の中にあってモヤモヤしてしまい、精神的に非常に疲れる状態なんです。

例えば、コロナ禍の高齢者にとって、自粛生活で活動を制限された生活は、筋力低下や意欲低下の恐れがあります。運動や他者交流目的でディサービスに行くことは、感染の不安があります。行きたいけど行けない、でも運動をしなくなって足腰が衰えてきているのも自覚している。まさにアンビバレントな状態。

社会との繋りを断たれ、感染に対する恐怖と緊張した生活で、心身の不調を訴える高齢者の方が、なんと多かったことか。

そして、関わる私にも多くの葛藤がありました。地域の様々な教室は休止中で、社会参加してもらえるインフォーマルなサービスがなく、運動や交流の場であるディサービスを利用する、しないは、どちらにしてもリスクがあるので、強くおすすめすることも出来ず。無力感を感じながら、私自身も揺らぎの多い1年でした。

そして1年が経ち、私の周りでは、「正しく怖がる」方が増えたようで、しっかりと感染予防しながら、少しずつ以前のような日常生活を取り戻されています。

その人らしくある、、、嬉しいことです。

今日も、自転車で走りながら、そんな1年を振り返ってみました。